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考えるヒント

土曜日に釣りにいった仲間との会話です。

・娘との距離が出てきたという話題について・・・

A:娘が距離を置くって話だけど、思春期の娘は身近な成熟した男性である父親との近親相姦を防ぐために生理的に臭いなどを嫌うようにプログラムされているという話を聞いたことがある。
C:遺伝的トラブルを避けるためですかねぇ。
B:しかし、人間以外の動物やなんかでは近親相姦を禁忌としていないのに人間だけ、遺伝的トラブルが多かったり禁忌にしているのはなぜなんでしょうねぇ。
C:人間という高度に進化した生き物は近親相姦に耐えられないほど遺伝的に弱いのではないか?特定の動物でそれは聞いたことがあるが、そういうトラブルより種の保存を優先した結果なのかもしれないなぁ。

B:そうした高度な遺伝的メカニズムを持っているはずの人間なのに、生殖に有利でないはずの同性愛者などが一定の割合で出るのはなぜなんでしょうねぇ。
A:性癖と遺伝のメカニズムは別なのではないか?
C:そういう多様性も人間が環境変化に強かったり文化的に成熟した原因かもしれないねぇ。
B:昆虫やなんかは、プログラムによって行動する部分が多くて、それが逆に種の保存に役立っていますものねぇ。

A・B・C:神様はよく考えているなぁ・・・

ってな話をしました。
こうやって思い返してみると、各自それぞれ、ファクトと自分の意見を丁寧に整理して話しているのがよくわかります。
疑問を素直に聞いているのもよいと思います。

こういうヨタ話をすると、色々と考えるヒントになりますね。
結論も出ていないし、どうでもいいヨタ話ですがまことに面白いです。

「考えるヒント」といえば小林秀雄さんです。
難解な文章ですが、文章が難解なだけでなく思考が高度で難解です。

20230904001.jpg

ひとつ、URLを紹介します。

無常ということの要約

このサイトでは、「無常ということ」のあらすじや要約がまとめてあります。
いくら要約しても判りにくさは変わりません。それどころか、まとめることで説明がなくなってより判りにくくなっていると感じます。
もっと理解するためには、戦争中の小林の態度やこの文章が戦争中に書かれたことなども踏まえる必要があります。

何が言いたいかというと、高度な思考を簡単にするのは、非常に困難で実質無理という風に俺は考えています。
それを、実現するためには、謙虚な態度でお互いの理解の溝をなくすため質問を繰り返すこととお互いの教養を深めるくらいしかないのかなと思っています。

小林の文章を理解するために、時代背景や、使われている用語の深い意味を知り、本人に質問はできないので色んな人の解説を総合的に判断したりする必要があります。
まぁ、エヴァを理解するために解説サイトを見たりするのと似たようなものです。

最近の、仕事場での会議や、社会全体の動き、政治の動きを見ていると少し心配になります。
もちろん、判りやすさは大事なんですが、本来、思考を深めて高度な判断をするべき人間がそれを放棄して一足飛びに「判りやすさ」を求めすぎているように思います。

別に、判断のブラックボックス化や政治における権威主義を勧めているわけではありません。
「判りやすさ」や「面白さ」を判断基準にしていると、とんでもない間違いをしてしまう可能性があるよ。という問題提起です。

とりとめのない文章ですが、言いたいことが言えてスッキリしました。

少し長いですが、俺が好きな小林の戦後すぐの発言を最後に書いておきます。

「僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処した。それについて今は何の後悔もしていない。
大事変が終った時には、必ず若しかくかくだったら事変は起らなかったろう、事変はこんな風にはならなかったろうという議論が起る。
必然というものに対する人間の復讐だ。はかない復讐だ。この大戦争は一部の人達の無智と野心とから起ったか、それさえなければ、起こらなかったか。
どうも僕にはそんなお目出度い歴史観は持てないよ。僕は歴史の必然性というものをもっと恐しいものと考えている。
僕は無智だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいいじゃないか。」

何も出来なかった「無常」も感じます。
小林の悲しみも感じます。
タモリは小林に対して「戦争を肯定した」と評しました。タモリの隠れた激しさも感じます。
俺は、タモリほどの激しさはないので、素直に「どうしようもない戦争だったのだ」「俺は無力だ」というふうに読みました。

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