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3日でなんとなく理解の出来るアンプ回路図の読み方と設計手法(その4)

電気回路の解説企画もその4です。

退屈ですかねぇ?理解するためには、自分で書いてみて、自分で電卓で計算することが一番だと思います。
真空管アンプの世界ですが、「情熱の真空管」を主宰しておられる、木村氏(文章も上手で本当に尊敬できる方です)などは、「手で計算したほうがよい」といっておられます。

さて、今日も基本回路を覚えます。

■3つ目の基本回路、「負帰還2段増幅回路」です

20200723001.jpg

ずいぶん、複雑になってきましたか?
こんなの、覚えられないと思うでしょう。俺も覚えていません。似たような回路図を見ながらアレンジしているだけです。

複雑ですが、よく見てください。どこか見覚えのある回路が隠れていませんか?

20200723002.jpg

上図の「ブロック1」と書かれている、回路の前半部分
1つ目の基本回路の「エミッタ接地回路」にそっくりです。ここではPNPトランジスタを使っているので、コンデンサが上についているだけです。

そして、「ブロック2」と書かれている後半の回路も、1つ目の基本回路の「エミッタ接地回路」にそっくりです。1つ目のトランジスタがくっついていたりしますが、トランジスタはNPNなのでコンデンサも同じ場所にあります。

そして、出力から、1つ目のトランジスタのコレクタに抵抗とコンデンサがくっついています。これがNFBです。
これも、よく見ると、2つ目の基本回路、「OPアンプ非反転増幅回路」のNFBに似ている気がします。

負帰還がついていて、トランジスタを2つ重ねて増幅しているから、「負帰還2段増幅回路」です

PNPとNPNを使っているのは、電圧が偏るのを防ぐためですが、別に、PNPの連続でも、NPNの連続でも、逆でもかまいません。
なんとなく、実用回路ではPNP-NPNのパターンが多いように思います。

では、今までの法則と経験を利用して、設計を始めます。

20200723003.jpg

1段目の電流値は「エミッタ増幅回路」にならって1mAとします。となると一番左の抵抗に流す電流は0.1mAでよいでしょう。
一番左の抵抗は、適切にトランジスタに電圧を加えるための2つなので「バイアス段」と呼ぶことにします。

2段目の電流値は奮発して2mAにします。通常1段目より大きくしますがほどほどです。2mAも計算しやすいでしょう?

さて、抵抗値の決定です。
バイアス段は12Vで0.1mAなので(R1+R2)は120K
12Vの真ん中くらいが動作点としてはよさそうなので5Vとすると、R1=50K、R2=70Kになります。

続いて1段目
R3にかかる電圧は5Vに0.6Vを足した5.6Vなので、0.001*R=5.6より5.6K
になります。

次が少しややこしいのですが、1つ目の基本回路でNPNトランジスタのエミッタ電圧を1.4Vにしたのを覚えているでしょうか?
エミッタ電圧は2V前後が必要で、電源電圧の大きさによって加減するのです。となると2段目のエミッタ電圧を2Vにするためには、R4に発生する電圧を+0.6V足して2.6Vにする必要があります。
(ややこしいことを書いているようですが、ようは、法則1■トランジスタが正常に動作しているときベースから矢印の方向に0.6V低い電圧になる。のことです。)

以上より、R4は、0.001*R=2.6より2.6K

続いて2段目
R6は、2mAで2Vなので、1K(式は書かないので自分で計算してください)
R5は5Vくらい(12Vの真ん中くらい)にしたいので2.5K

今回ゲインを20倍にしたいと思います。
すると
Rf:Rs=20倍(厳密には(Rs+Rf)/Rsですが、大体こんな感じ)なので
Rf=50K、Rs=2.5Kになります。

はいっ、出来ました。

実用回路はこんな感じで・・・

20200723004.jpg

この「実用回路はこんな感じで」っていうの曲者ですね。
俺も、「後だしで色々くっつけてずるい」と思っていました。
でも、一応計算はするのですが、大体で大丈夫なのです。一応解説すると・・・

入り口と出口とNFBのコンデンサはカップリングコンデンサなので10uFです、NFBは電圧が正負に振れるのでバイポーラにします。
一番上のコンデンサは電源インピーダンスを下げるためのものです。なんとなくもっと大きくすれば、音が良くなる気もします。
それぞれのエミッタにパラレルで入っているコンデンサは、交流信号を通すためのコンデンサです。交流信号の場合、抵抗値が小さくなると低域の周波数特性が悪くなるので大きめの100uFにしています。(コンデンサの容量が大きくなると低域の周波数特性が良くなります。詳しくは定本P43)

ちなみに、1つ目の「エミッタ接地回路」と違って、それぞれのエミッタの抵抗全体にコンデンサがくっついています。この場合のゲインは、法則3「エミッタ接地回路」のゲインはR3/R4になる。によって無限大になりますが、いくらなんでも無限大にはならずにhFE程度であたまうちになります。
しかし、負帰還によって、ゲインを制限しているのでこれでよいのです。

さて、これで、法則5つと、回路3つを覚えました。
この回路などはかなり高級で1970年代のアンプならば最先端の技術です。上の実用回路に2SC1815と2SA1015と書いていますが、さしずめ、「低雑音、高hFEによる音質を追求した初段増幅回路」となるでしょう。

今回の回路は「定本」でいうと、P198の回路です。(PNPとNPNが逆です)

もう少しだけ、この話題続けます。


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