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3日でなんとなく理解の出来るアンプ回路図の読み方と設計手法(その6)

アンプの回路の解説も難しいのはここまでです。

俺も疲れているのか、昨日の記事を見直すと初段のBCEを間違って記載していました。
気が付かれたかたもいるでしょうが、気が付かれないうちにこそっと直しておきました。

さて、最後の回路です。

■5つ目の基本回路、「SEPP出力回路」です。

20200727001.jpg

今までの回路は、電圧の増幅を行う回路ですが、これは電圧の増幅を行いません。何かというと電流を大きくして、小さい抵抗の負荷(スピーカーの事です)を動かすための回路です。
SEPPというのは「Single Ended Push-Pull」の略で、色々な工夫はありますが、市販のトランジスタアンプはほぼこの出力段によるものです。

今までの回路と違ってエミッタに出力がついています。右側の4つが出力トランジスタで、上下でNPN、PNPのトランジスタが対になっており、プッシュプル動作をするのです。
左側のトランジスタはバイアス用です。今まではバイアス電圧は抵抗で作っていましたが、終段のトランジスタは熱くなって暴走する可能性があるので、トランジスタを用います。

回路を、簡単にしてみます。

20200727002.jpg

最後の2つのトランジスタはエミッタとベースがつながっており、2段重ねのようになっています。これを「ダーリントン接続」といいます。疑似的に1つのトランジスタのような動作をさせることができてそのhFEはそれぞれのhFEを掛けたものになります。

バイアス回路は、抵抗と同じですが、トランジスタは温度が上昇すると電流が流れやすくなるので、それを利用して抵抗値を低下させるものです。暴走しやすさを逆に利用して終段の暴走を止めるのです。このため、バイアスのトランジスタは、終段と熱的にくっつけておきます。

簡単にした回路が上の図の下図です。簡単でしょ。
定本P85の回路は抵抗がダイオードに変わっていますが、ほぼ同じものです。

さて、回路設計です。

終段の電流は10mA、ダーリントンの一つ目のトランジスタ(これをドライバと呼びます)の電流は5mA、バイアス段の電流は2mAにします。電源は±12V
R5とR6は終段の熱暴走を抑えるためのもので、相場は0.5Ω前後です。ここでは0.22Ωにしました。
ドライバ段は5mAのためR3とR4は0.6Vとして120Ω
バイアス回路は1.2Vでよいのかというと、ダーリントン接続で2.4V必要です。
そのため、R1とR2は(24V-2.4V)/2=10.8Vで2mAなので5.4KΩ
RBは1.5KΩとするとVR1はその3倍くらいあれば2.4Vのバイアスが取り出せるので5KΩとします。

出来た回路

20200727003.jpg

R1は中点電圧を0Vにするために5.4Kを4Kの固定抵抗と2.5KのVRに分けました。

なかなか立派なアンプです。
参考までに、自分ならTR1はTTC004B、TR2はTTC004BとTTA004Bのコンプリ、TR3は2SC2837と2SA1186のコンプリなんかどうかなと思います。
少し、余裕のある定格ですが、もっと大きなアンプにでも使えるものなのと安く手に入るのでお勧めです。

上の回路は、定本でいうとP94の回路や、P122の回路に近いものです。(P122は終段がパラレルになっております。)

さて、これで、基本回路5つと法則5つをすべて解説しました。
これだけ、知識があれば、なんとなく回路図がわかり、なんとなく設計ができます。

次回以降、それを証明して見せます。次からは簡単になりますので、ブログのブックマークを消すのは勘弁してください。

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